エレラボ怒りのPython講座(12/14)
こんにちはエレラボです。
プログラミングがはじめて?
まあそんなことだろうと思ったよ。だからこの講座を開講することにしたんだ。
パイソン以外のプログラミングくらいやったことある?
それは面倒だ。一回君の脳内をfreshにしないとpythonにワついていけないぞ。早くついてこい!!!
12/14の17:00~,18:30~の2部構成だ。
紀尾井101教室に来てくれ。
*18:30~の一部のみの開催となります。17:00~の部は中止となりました。ご了承ください。
けけけっけけけけけけけけえけけけけけけけけけけ
こいよ?みんな!!
一つだけ忠告だ。上智の学生だけが参加可能だ。
必ずPCを持って来いよな!
一応、開発環境の入手先だけ貼っとくぜ。
ソフィア祭大成功!!
こんにちは駒形橋です。先日にアナウンスしました、ソフィア祭こと学祭が無事に終了いたしました。今回はその振り返りと言うか、何と言うか記事にしたいと思います。
VVVFの死。
やはり学祭とかのイベントの直前となると何かとドタバタするんですよね。いわゆる「締め切り効果」というか前日準備ではみんな急ピッチで作業をしていました...
自分自身はVVVFインバータの駆動基板の製作を担当しておりまして、学祭の数日前から急造した信頼性皆無のジャンク()基板のデバッグをしていました。やっと完成した基板の試運転を前日にしたわけです。最初から高圧を制御するのは怖いので、はじめは出力絞って24,36,50V...と段階的にテストをしました。
なんと100Vまではドレミファの音階(正確にはファソラシ)とともに軽やかに回り、二日間オールして作った甲斐があったと一人感動をしていました。そして...200V...興奮で汗ばんだ手でスライダックを調整したあの感触は忘れられません。それからマイコンの制御ボタンを押した瞬間...バチッ パンッ パンッ...煌めく閃光と黒煙、そしてケミカルな香りが漂いました。そう、回路が大破したのです。「水の泡」もいいところ、「展示物」が「産業廃棄物」と化した
のです。こうしてなくなくVVVFインバータはゴミを展示することになりました。まぁ、現実は甘くない。パワエレを舐めて鉄槌を下されたのでしょうか。なんとも不甲斐ない...
大繁盛のテスラコイル
こうして展示物のメインは残すところテスラコイルのみとなりました。それも二基のうち一基は不調で動かず、あと一つ壊れれば悪い意味で「役満」ですw どうあがいても壊すわけにはいけません。そんな危機的な状況のなか、我々の学祭はスタートしたのです。
*テスラコイルによる放電の様子。来場者のHAYAさんが撮影してくださいました。ありがとうございます。
これぞ「パワエレ」と言ったところでしょうか。テスラコイルから真の「エレクトリカルパレード」が爆音で流れます。それが本当に煩い。展示場所が狭く、壁の遮音性が低いのか廊下の端までも響き渡ります。隣室のサークルの方々には何度頭下げてよいかの騒音です。「暗い部屋から爆音」、一目見ようとお客さんがゾロゾロやってきました。みんな釘付け、そして女の子たちのインスタによって客足は伸びて行きました。まさしく大繁盛です!
強電界によるNANDの消耗やヒューズ動作等の細かいトラブルはあったものの、事故はなく展示ができました。我々部員の方も接客に慣れたのか、パフォーマンスが次第に上手くなっていきましたw お隣のサークルの方々は爆音で迷惑を掛けていたのにも関わらず、興味を持っていただけて何度も足を運んでくださいました。本当にうれしい限りです。Twitterでお世話になっている界隈の方々にもお会いできてとても有意義なひと時でした。ありがとうございました。
思うこと
場を取り持ちつつ、オープンキャンパスを思い出しました。可燃性のゴミ箱に巻いたキケンな一次コイル,燃えるCT,放電自体もショボかった3か月前。振り返れば、駆動基板の量産化、アースの見直し、二次コイルの新造...みんなで合間を縫って技術を磨いてきました。トータルの技術力としてはまだ稚拙で未熟ではありますが、各々が自発的に学んでゆく姿勢はSELの持ち味なんじゃないかなと感じています。中でもテスラコイルは我々のポリシーを象徴するものとしてあるんじゃないかなと個人的には感じます。
ここで語るのもアレですが、実はわたくし「駒形橋」は上智大学の生徒ではありません。他大の理工学部に通っています。そんな自分が自分の大学にはないSELで本格的に活動している理由もこれに尽きます。自発的にお互いをお互いが高め合うことができる環境がSELにはあるのです。実際、何も知識も技術もなかった自分が急速にパワエレについての知識を深め、付随する技術も習得してきました。大破したVVVFも数か月前であれば作ることさえできなかったでしょう。ここにはそんな魅力があるのです。
最後に
途中話が逸れてしまいましたが、今回の学祭は我々の活動の通過点として大変素晴らしいものとなったのではないかと感じています。「大成功」とすることができた一因として様々な方々のご理解とご協力があってこそのものだということも忘れてはなりません。組織としての課題、学内外のイベントも山積みです。部員としてサークルとしてより高みを目指して頑張っていこうかと思います。
ソフィア祭
こんばんは。ついに学祭の季節ですね。そんなわけで学祭に向けてテスラコイルをパワーアップさせました。
Super Mario pic.twitter.com/2qGdiOjfEJ
— 上智大学エレクトロニクスラボ (@Sophia_ele_lab) October 30, 2018
よさみカメラを部員が持っていたのでそちらで撮影したところ素晴らしい放電が取れました。フォトジェニックですね。ツイッタでも院スタでも映えるテスラは最高の被写体だと思いますハイ。
そんなわけでこちらのテスラを学祭で展示します。
時・ところ
上智大学四谷キャンパス 紀尾井101教室
11/2~11/4 10:00~16:00
(画像では107となっていますが101に変更となりました。お気をつけください)
ついでに2重奏もやってみました。
スプラッシュマウンテン...!
— 上智大学エレクトロニクスラボ (@Sophia_ele_lab) October 26, 2018
11/2〜4の学祭で見られます!! pic.twitter.com/ozqmrvLclA
アルミ線ぐるぐるトロイドを付けたら放電伸びたんですけど1次と放電して基板ごと逝きました()
よって2重奏はできなそうです(つらい)。
ついでに爆音テスラの横でプログラミング教室もやるようです。
— 上智大学エレクトロニクスラボ (@Sophia_ele_lab) October 31, 2018
最大収容人数20人の部屋でできるんでしょうか?
さすがにまずいと思います。
テスラでPCバグりそう
でも安心してください!
なんとPCはアキバのジャンク品!!
こちらでご用意します。
しかもプログラミング教室中は放電しないっぽいです!!!!!
あたりまえですね。
VVVFもいい感じにできたら展示します。あと一日で何とかなるのでしょうか…
そんなわけで不安が残ったまま学祭期間に突入しますが、ぜひソフィ大に遊びに来てください!
パルストランス(GDT)の設計
こんにちはkentamuです。前回の記事で触れたパルストランス(GDT、ゲートドライブトランス)の設計方法を紹介します。
そもそもトランスって?
トランスとはトランスフォーマー(変圧器)のことで、高磁性体(磁化されやすい)コアにコイルがまかれたような構造をしています。
プラスチックのボビンにコイルがまかれる様子
フェライトのコアをボビンの上下からサンドイッチして完成したトランス
トランスの解体図。左から、フェライトコア、ボビン、フェライトコア。
回路図は以下の通りです。
T1の文字の下にある2本線がコアを示し、コイルに打ってある・(ドット)が巻き始めを意味します。下の回路図ですと、同じコアに3つのコイルが巻かれていることになります。
信号が入力されるコイルを1次コイル、信号が伝達される側のコイルを2次コイルといいます。回路図ですと、1-2が1次、3-4,5-6が2次コイルです。
では、どやって信号を伝達しているのでしょうか?
答えは簡単です。コアの持つ磁気エネルギーを利用しています。
まず、1次コイルに入った電気エネルギーにより、コアに磁気エネルギーが発生します。そして、同じコアにまかれた2次コイルに磁気エネルギーの影響で電気エネルギーが発生します。
電気エネルギー → 磁気エネルギー → 電気エネルギー
このような順番でエネルギーが伝達されます。
つまり、トランスは電気的に絶縁しながら信号を伝達してくれるパーツとなります。
トランスの動作とB-H曲線
電子工作をしていると、時々目にするのがヒステリシス曲線(B-H曲線)です。
本項ではヒステリシス曲線について、トランスの動作を交えながら考えていきます。
トランスの動作
1.電流と磁界
コイルがまかれているとき、コイルに電流が流れると磁界が発生します。これが磁気エネルギーの発端です。磁界はHで表します
2.磁界と磁束密度
コアにコイルがまかれていて磁界が発生すると、コアの透磁率(磁界の通しやすさ)に比例して、磁束密度というものが決定します。透磁率はμ、磁束密度はBで表します。コアは空気よりも透磁率がとても大きいですから、空芯コイルよりも大きな磁束密度を持たせることができます。
3.磁束密度と磁束
磁束密度とコイルの巻かれたコアの断面積の積よって磁束が決定します。磁束はΦ、コアの断面積はAeで表します。
4.磁束の変化と電圧の発生
コアの磁束が変化した時に、コアに巻かれたコイルには電圧が発生します。
それでは、いったん言葉と記号をまとめて1~4の関係を式で表してみます。
- 文字の定義
- H:磁界
- B:磁束密度
- μ:透磁率
- Φ:磁束
- Ae:コアの断面積
- N:巻き数
※(4)の表す意味:単位時間当たりの磁束の変化が大きいと、発生する電圧vも大きくなります。
※透磁率μ:(2)式の通り、透磁率μはB-H曲線の傾きとなります。
ここで、パルストランス設計におけるヒステリシス曲線(B-H曲線)の見方を説明します。
以下に、とあるコアのB-H曲線を示します。
横軸が磁界H,縦軸が磁束密度Bです。式(1)より、磁界Hはコイルに流れる電流Iに比例するため、HをIに置き換えて見ることも可能です。式(2)を見てください。磁界Hが増える(電流が増える)と磁束密度Bは上昇していきます。ですが、Bの上昇にも上限があります。これを飽和磁束密度と呼び、図でいうところのBsに当たります。
ここで、磁界H(コイルの電流)を上げて行き、Bs付近でトランスを使うとどうなるかについて説明します。
Bs付近の拡大画像
先ほど言いましたように、透磁率μはB-H曲線の傾きです。磁界Hが小さい(電流が小さい)ときの傾きは、画像左下のように透磁率μは大きな値をとります。この時、このコアは1次コイルの電気エネルギーを磁気エネルギーに変えて伝達することが可能です。
では、磁界Hが大きい(電流が大きい)ときはどうでしょうか?画像右上を見てください。透磁率μは大変小さな値をとります。すると、電気エネルギーを磁気エネルギーに変換することができず、2次コイルへ信号を伝達できません!
それどころか、透磁率μが大変小さいときの1次コイルは空芯コイルと同様です。ですから、1次コイルのインダクタンスが大変小さい値をとり、大電流が流れて素子を破壊してしまいます!
このように、Bが最大磁束密度Bsの状態になり、透磁率μが大変小さくなってしまうことを、磁気飽和を起こすと言います。トランスの設計において、磁気飽和を起こさないように設計することが大変重要です。
では、磁気飽和を起こさないように使うにはどうすればいいでしょうか?
答えは、B-H曲線上に記したΔBの範囲で使うことです。
ΔBmaxを最大動作磁束密度といい、正側のパルスの磁束密度はこちらの大きさまでにするとうまく動きます。(なぜなら、透磁率が小さすぎないためトランスとして動作する。)
*ΔBmaxはコアにもよりますが、フェライトですと300mTが妥当です。
パルストランスの設計
前回の記事で、パルストランスの巻き数の決定方法を紹介しました。
それでは、こちらの式を導出してみましょう。
まず、私たちが回路を設計した段階でわかっていることは、1次コイルに与えるパルスの電圧と周波数です。式(4)を「電圧の変化で磁束が発生」という風に置き換えるところからスタートします。
※式(9)をご覧ください。
コイルに入力するEとTの積がΔBを上回らないように定める必要があります。
ときたまET積という言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、それがこちらです。
パルストランスのデータシートに記載されるET積は実はコアのΔBmaxによって制限されているのですね!
以上のようにして式を導出しました。
それでは、実際にこの式を使ってトランスを設計してみようと思います。
今回使用したコアは
こちら
アキバの日米で売ってました。(コアとボビン合わせて200円くらいでした)
こちらの資料から、コア断面積Ae=161㎟であるとわかります。
B-H曲線がこちらです。
今回は余裕を見て、最大動作磁束密度ΔBmaxを320mTとしましょう。
これは、100°Cでもμの値(接線の傾き)が十分大きいところ、、としました。
今回は何も考えずにこちらのコアに1次に15回、2次に30回巻きました。
それでは、こちらのパルストランスが伝達できる最低周波数を求めます。
よって最低周波数が3.87kHzと求まりましたから、これが正しいかどうか計測してみましょう。
*最低周波数:(パルス電圧Eが決まっているとき)これ以上の周波数であればトランスが伝達可能なパルスの周波数。
左から、6kHz-5kHz-4kHz-3kHz時の波形です。
黄色:1次コイルの電圧波形
青色:2次コイルの電圧波形
6~4kHzまではパルストランス として機能していますが、3kHz時はパルストランスとして機能していないことがわかります。
計算の結果がおおむね正しかったことが実証されました(ホッ)
また、2次コイルの電圧は1次コイルに比べてほぼ倍になっています。巻き数比に比例して誘導される電圧が変わることも確認できました。
追記:この測定結果からわかることですが、伝達可能な最低周波数(付近の周波数)の時の波形は大変汚いです。
矩形波には高調波が含まれるため、10倍程度の余裕を持って設計してもいいのでは?という意見も頂きました。皆様も作る際は十分に余裕を持った設計をよろしくお願いします。
追記:
記事製作時に残留磁束密度の概念がよくわかってなかったのでないがしろにしてましたが、本来であればET積による磁束密度の変化分ΔBが残留磁束密度Brに加わる形になるためBr+ΔB≦Bsとしなければなりませんでした。
内容は概ね合ってると思いますが、間違いが散見されるかもしれません。ご了承下さい。
なおフルブリッジ駆動のため正負に偏磁する事を考えると-Br+ΔB≦Bsとなりそうなので、この記事の上の式でやっても問題は無さそうです。
おわりに
今回はパルストランス、GDTの設計について細かく触れました。
多少計算をごまかしているところもありますが、直感的に理解できる内容になっているのではないかと思います。
みんなも作ろう、Letsパルストランス!
参考文献
http://hirachi.cocolog-nifty.com/kh/files/20100930-1.pdf
参考資料
https://product.tdk.com/info/ja/catalog/datasheets/ferrite_mz_large_pq_ja.pdf
https://product.tdk.com/info/ja/catalog/datasheets/ferrite_mn-zn_material_characteristics_ja.pdf