テスラコイルまとめ
kentamuです。オープンキャンパスで放電の基礎を勉強される方へ。
実用回路、用語は以下の通りです。是非製作の際参考になさって下さい。
用語説明
テスラコイルの種類
・2次コイルにのみ共振コンデンサがついている回路がSSTC
・SSTCの1次側に共振コンデンサをつけたのがDRSSTC
テスラコイルの共振周波数の作り方
・2次コイルの電流位相をカレントトランス(CT)により検知して制御回路に伝えるのが2次フィードバック。SSTC,DRSSTCどちらにも使える。自励式。
・1次コイルの電流位相をカレントトランス(CT)により検知して制御回路に伝えるのが1次フィードバック。DRSSTCに使える。自励式。
・テスラコイルの共振周波数を発振器などで生成して制御回路に入力する。他励式。
大電流ゆえフィードバックの難しいDRSSTCで使いがち。
1次コイルの駆動
・通常ハーフブリッジ回路やフルブリッジ回路が使われる。これらの回路はFETやIGBTという半導体スイッチで構成される。半導体スイッチのON/OFFを共振周波数で行うことで放電する。
・この半導体スイッチをON/OFFするのに使うのがゲートドライバ。半導体スイッチがONになると非常に大きな電流を流すことができる。ただし、ハイサイド、ローサイドの半導体スイッチが同時にONすると半導体スイッチに大電流が流れ、壊れる。それを防ぐためにデッドタイムといって両方の半導体スイッチがOFFの時間を設ける。
テスラコイルはデューティ比(パルスがONの割合)が50%なので、GDT(ゲートドライブトランス)を使用する事が多い。波形が訛り、勝手にデッドタイムが生成される。かつ制御部とパワースイッチング部を電気的に絶縁出来る。
・DRSSTCの場合、1次共振コンデンサを挿入するためLC直列共振回路により回路全体のインピーダンスは非常に低くなり大電流が流れる。ただしL,Cそれぞれのインピーダンスは有限であり、各素子の持つインピーダンス成分*大電流によって各素子の両端には高電圧がかかる。そのため1次コイル電圧が跳ね上がり、2次コイル電圧も上がって放電が伸びる。1次共振コンデンサの耐電圧、お勧めは5kV以上だ。ESR(等価直列抵抗値)の低いフィルムコンデンサを使用する。
2次コイルの接地
・2次コイルは必ずアースする。家庭のコンセントについてるアースでよい。
以降、回路製作に関する記事です。上から順にご覧ください。
注意点:以下の記事において共振周波数の式が出てきた場合、すべて反共振周波数の式になっていると思います。実際はテスラコイルを調相結合トランスと見た場合の直列共振周波数 fsc=1/(2*PI*((1-k^2)*L2C2)^(1/2)))だと思ってください。
*追記:この式が共振周波数の式かどうかも怪しくなってきました。
界隈のとあるグループが現在数値解析中です。
誰も正確な共振周波数が分からなくても調整すれば放電する、そんなもんです。
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