上智大学エレクトロニクスラボ

上智大学エレクトロニクスラボの部員の雑記帳です。当ブログを真似したり参考にしたりして起きた事故、けが、損害につきまして私たちは一切責任を負いません。

新 テスラコイル回路 DRSSTC

 

ご無沙汰してますkentamu の者です。

新入生歓迎会もひと段落したので1m級のテスラコイルについてぼちぼちまとめようと思います。

 

回路図

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新しく設計したテスラコイルの回路

まずは回路図です。今回は俗に言うDRSSTC(2重共振テスラコイル)を製作しました。

 

制御回路(Control Circuit)

超シンプル。緑の枠で囲った部分です。

以前まではNANDを4つ使った回路でしたが、新しく設計したこちらの方が配線も楽で動作も安定しています。

ゲートドライバIR2104をトリッキーな使い方をして制御回路を実現しています。

ハーフブリッジドライバのはずなのにデュアルローサイドゲートドライバとして配線し、シャットダウンピンをうまく使うことでテスラコイルの制御回路を構成しています。

 

ゲートドライバ(Gate Driver)

制御回路の後につながるゲートドライバもIR2104を使用しました。(ここでは普通の使い方ですw)

IGBTモジュールを駆動するため、±3A対応の少々パワフルなゲートドライバとなっています。

小さいIGBTであればIR4427を使用しても大丈夫でしょう。

 

 

モジュールを駆動するのにこの小ささで制御回路とゲートドライバ込み!

とてもコンパクト。

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実際に製作した回路と信号波形

 

今回は他励式といって、共振周波数に合わせた周波数の信号を制御回路に直接入れています。実を言うとこの方式だとハードスイッチングに絶対なるのでIGBTが発熱します。

自励方式にしたかったのですが他励が安定していたのでそのまま他励で動かしています。(IGBTちゃんごめん)

 

共振合わせの方法について

備忘録がてらまとめておきます。

まず、DRSSTCですので1次側の共振周波数を2次側に合わせる作業が必須です。

以前紹介した方法で2次側の共振周波数を測ります。

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今回の2次コイルはVU150 1Mのパイプに0.32mmのUEWを1kg巻き切りました。

トロイドをつけた共振周波数が画像の通り58kHzです。低い!

 

この共振周波数、そして1次コイルの最大インダクタンスを元に共振コンデンサの容量を決定します。

LC共振の周波数の式は高校物理でも出てくるアレです。

共振コンデンサの耐圧は少なくとも5kVは必要らしいので、フィルムコンデンサを直列に繋いだり並列にしたりして、希望の耐圧と容量を得ます。

ESRが低い方が電流が流れてよく放電するので、良いフィルムコンデンサを使います。

巷ではCDE社の白コンと呼ばれているものが流行っているらしいですが、いかんせん高価なので、値段の割にはあまり死なない上に放電もそこそこ良い(らしい)秋月電子売っているRubyconの緑コンデンサ(630V1uF)を使いました。

緑コンの8シリを4パラにして5kV 0.47uFのコンデンサを作りました。また、電荷を抜くためのブリーダー抵抗としてそれぞれの緑コンに1MΩの抵抗を付けました。

 

共振を合わせるためには1次コイルをなまし銅管にして、その末端の位置を動かせるようにしてあげることがポイントです。

ヒューズホルダーを使うのが主流のようです。

 

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バス電圧は50V程度にし、1次の適当な位置にヒューズホルダー(を使った配線)を取りつけ放電させます。

他励の場合はその状態でオシレータをグリグリ動かして最適な共振周波数を探ります。

 

次に先程とインダクタンスが異なる位置にヒューズホルダーをつけ、同様の事をします。

さっきよりも放電がよかったらその調子、

放電が悪かったらもう一回...

 

こんな事を繰り返して、最適な位置を探っていくと良いみたいですね〜

 

 

 

 

 

何度かツイッター等に上げておりますが設計製作の写真ダイジェストを以下に。

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このテスラコイルは多くの協力を基に完成致しました。

ここで感謝を申し上げます。

・さなたかくん(調整の末、放電を成功させて下さいました。)

・Hkatくん(調整を手伝ってくれました。)

・夕マゴさん(共振コンデンサなど諸々教えてくれました)

・きょうすけくん(製作に際して諸知識を教えてくれました。)

・エレラボのみなさん(快く木工のお手伝いをしてくれました。)

・インターネットの先人の方々(多くの情報を与えて下さいました。)